Hello Nature

Essay to say hello nature

2025年9月帰国報告会, September 2025 Returning Home Reporting Session

  • 日 時 2025年9月14日(日)13:30 – 16:30Date and Time: Sunday, September 14, 2025, 1:30 PM – 4:30 PM
  • 会 場 浦安市国際センター研修室1と2連結+リモート(Zoom)
  • Venue: Urayasu City International Center Training Rooms 1 and 2 (linked) + Remote (Zoom)
  • 主 催 千葉県JICAシニアボランティアの会
  • Organizer: Chiba JICA Senior Volunteers Association

コーディネータ 登内 明

「異文化理解 – 文化とは何か」
Coordinator: Akira Tonouchi
“Intercultural Understanding – What is Culture?”

講師 上瀧 桃佳 派遣国:ソロモン諸島、職種:小学校教育

「違いを超えて、共に生きる」
Instructor: Momoka Kamitaki
Country: Solomon Islands
Occupation: Elementary School Education
“Living Together Beyond Differences”

講師 永江 豊 派遣国:マレーシア、職種:コンピュータ技術

「教材のデジタル化支援から見たマレーシアの雰囲気」
Instructor: Yutaka Nagae
Country: Malaysia
Occupation: Computer Technology
“The Malaysian Atmosphere as Seen through Support for the Digitization of Teaching Materials”

上瀧 桃佳 講師 講演概要

皆さん、こんにちは。初めまして、上瀧桃佳と申します。私は2023年から2025年、今年の2月までソロモン諸島におりまして、2年間の派遣を終えたところです。4月からはまた、松田市の小学校に戻り、勤務をしております。

1. 自己紹介

私はもともと先生になりたいと思い、「どんな環境に子供たちが生まれても、自分の人生をデザインできるような環境や、そんな子供たちを育成したい」と思うようになり、もっと海外の子供たちを見てみたいと考え、青年海外協力隊に新卒で応募しました。訓練も終了した3月の末にコロナウイルスが流行し始めて派遣が延期となり4年間待って2023年にソロモン諸島に派遣されたという経緯です。ソロモンでは、算数、ICT、体育の授業や学校運営に従事しました。

2. 本日の目的

ゴールは、私がソロモンで経験した異文化との出会いから見えた「共生」の本質を皆さんと共有することです。そして、多様性を受け入れる力を日常でどう活かせるかを考えることです。

3. ソロモン諸島の概要

クイズ、ソロモン諸島がどの辺にあるか、皆様ご存知でしょうか?ソロモン諸島は、オセアニアにありオーストラリアの右上にある小さな島々がソロモン諸島です。ソロモン諸島のイメージは?(会場から「戦争の跡が残っているのかな。」)その通りで、第二次世界大戦の激戦地、特にガダルカナル島は有名かと思います。私もそのガダルカナル島のホニアラ市というところに派遣されていました。

学校の概要:私が勤務していたのは、ガダルカナル州立のセントメリー・タナガイ小学校です。ソロモンは4学期制で、第2学期と第4学期の終わりに発行される成績表の内容は、通常の教科に加えて態度なども評価の対象となっており、その点は非常に驚きました。私の学校は生徒数が少なく、全校で150人でした。教科は、英語、算数、理科、社会があり、ここまでは日本と似ています。それに加えて「宗教」の授業がありました。ソロモンは90%以上がキリスト教徒であるため、宗教の時間が毎日1コマ設定されており、お祈りの仕方や歌などを練習していました。

ソロモンにおける教育の現状:授業料が高額(約20,000円/年)、教科書や教材の不足、保護者の教育に対する意識の課題、教員の給料が低い、教員の働くことへの意識、⼦どもたち⾃⾝の問題 (責任感)

要請内容:「教員の指導法を改善することによる授業力の向上」「児童の基礎学力の定着」「学習意欲の向上」を目的に活動することでした。具体的な活動としては、算数の授業を教員と一緒に作ったり、学校が機能していなかったため、時間を守ることや学校行事を一緒に行ったりしました。

4. 異文化との出会い

「ソロモンタイム」、何でもシェア(分ける)文化、家族やコミュニティのつながりが⼤切、ソロモン人はクリスチャンが多いこともあり、「困っている人を助けないのは意地悪だ」という考えが根付いています。そのため、何でも分け合うのが当たり前でした。親戚や近所との助け合いが日常的で、個人よりも「みんなで生きる」という意識が非常に強かったと思います。

5. 支援と共生の違い

「支援」は、不⾜を埋める、片⽚⽅向。「共生」は、相互理解、双方向、関係維持であり、お互いが違う存在であってもその関係を維持し、総合的に理解して共に生きていくことではないかと思います。

共生のための行動:私は自分なりに「ソロモン人と一緒に過ごす時間を増やす」ことを心がけ実行しました。校外学習の企画、教員との教材研究、ソロモンフードを共に食べる、ズンバで交流、畑作り、結婚式への参加など、様々な文化や違いに触れることができ、非常に良い経験となりました。

共生に必要な3つの力:1. 違いを活かす力:違いを認め、新しいものを創り出していくことが大切。2. 聞く力:私はこの点に最も注力しました。3. 相手を大切に思う力:思いやりの心です。共生とは、尊重、傾聴、そして思いやりがあれば成り立つのではないかと思いました。

私たちの生活へのヒント:多様性への好奇心を持つ、違和感を対話のきっかけにする、子どもに伝えたい「ちがいを楽しむ力」、JICAで得た経験をこれからも子供たちに還元していきたいです。

6. まとめ

異⽂化理解・多⽂化共⽣は「相手の存在を尊重する」ことから!共⽣⼒=相⼿を⼀⼈の⼈として尊重し、共感し、協働する⼒、Tagio tumas(ありがとうございました!)

永江 豊 講師 講演概要

1. 自己紹介:

永江 豊と申します。私は2022年度のJICA海外協力隊(2次隊)として、2022年11月からマレーシアに派遣され、2024年11月に帰国しました。派遣期間は2年間です。職種はコンピュータ技術で、配属先はマレーシアのシャーラムという場所でした。私が応募したきっかけは主に4つ:多民族国家であるマレーシアへの興味、マレー語への関心、JICAの専門家としてフィリピンに派遣された経験があった、日本で海外からの研修員に技術研修を行った経験があったことです。私は日立グループの情報関連部門に約30年間勤務しており、その中で海外の仕事にも携わりました。

2. マレーシアとは

マレーシアはタイの南に位置するマレー半島と、ボルネオ島の一部から構成されています。気候は熱帯雨林気候で、季節は雨季と乾季のみです。年間の平均気温は21度から33度の間で安定しています。人口は約3,400万人で、民族構成は、マレー系が65%、中国系の華人が24%、インド系が8%です。公用語はマレー語ですが、英語も準公用語として広く使われています。宗教も民族ごとに異なり、マレー系のほとんどはイスラム教(イスラム教はマレーシアの国教)、中国系は仏教やキリスト教、インド系はヒンドゥー教を主に信仰しています。マレーシアは旧宗主国であるイギリスを手本とした立憲君主制を採用しています。1981年に就任したマハティール元首相は、日本や韓国の成功モデルに学ぶ「ルックイースト政策」を掲げ、工業化と経済発展を推進しました。この政策により、多くの学生や社会人が日本や韓国へ留学・研修に派遣され、技術や経営を学びました。彼らが国の幹部となり、今日の親日的な国民感情の礎を築いたと言えます。マレーシア人の一般的な性格として、フレンドリーで大らか、多民族・多宗教が共存しているため、異文化への寛容性が高く、家族や友人、地域社会との繋がりを非常に大切にします。

3. 活動状況

私の配属先は、シャーラムにあるシアスト(CIAST: Centre for Instructor and Advanced Skill Training)という機関でした。工業系の職業訓練インストラクターを育成することをミッションとしています。私に与えられた要請内容は、「紙媒体で作成されている各マニュアルをデジタル化するための支援」でした。活動の最初の3ヶ月は、マレーシアとシアストの環境把握、専門用語の習得、授業見学などに充て、4ヶ月目から本格的にデジタル化プロジェクトに参加しました。2023年度と2024年度に同じコンテンツの教材を作成しましたが、最終的に完成品を届ける前に任期を終え、帰国となりました。活動を通して見えた課題として、教材作成のスケジュール管理やレビュープロセスといったプロジェクト管理の手法が確立されておらず、その必要性を強く感じました。日本とマレーシアが協力し、アジアやアフリカの国々に教育を提供する「第三国研修」というプログラムや年に一度開催される「技能五輪」にも参加しました。また、マレーシアでは日本語学習が盛んであり、日本語教育の活動にも参加しました。

4. 生活状況

水は煮沸するか購入する必要がありました。電源構成は石油とガスが中心で、自国で資源が産出されるため原子力発電はありません。代表的な朝食は、ココナッツミルクで炊いたご飯にゆで卵やピーナッツを添えた「ナシレマ」や、薄く焼いた生地にカレーソースをつけて食べるインド系の「ロティチャナイ」です。果物もドリアン、スイカ、マンゴー等豊富、私はドリアンが苦手でした。休日には、現地の人々と一緒に標高300mほどの丘へハイキングに行きました。イスラム教の断食月「ラマダン」明けのお祭りでは、「オープンハウス」としてインストラクターの自宅に招待され、手料理を振る舞っていただきました。イスラム系やインド系の結婚式にも参加し、文化の違いを体験しました。国内には源泉かけ流しの温泉が点在しており、水着着用で入浴します。年に2回、クアラルンプールで盆踊り大会が開催されます。ムスリムの女性たちも浴衣を着て参加し、非常に楽しんでいる様子でした。

5. まとめ

2年間の活動を通じて、個人の壁を越えて他者と共生するためには、偏見や差別をなくすことが第一歩だと感じました。私たちは知らず知らずのうちに固定観念を持っていることがありますが、その壁を乗り越えるためには、その文化の人々と直接交流するだけでなく、周囲の日本人などから情報を得ることも有効です。物事の価値観や考え方の違いを認識し、相手を理解しようと努める姿勢が、異文化理解において最も重要だと学びました。

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